海外小説

草の竪琴 トルーマン・カポーティ

戦後アメリカの「南部作家」を代表するひとり、トルーマン・カポーティの二作目にあたる長編小説。処女長編の『遠い声 遠い部屋』(1948)の幻想風味な作品とは打って変わって、牧歌的な雰囲気に包まれた、とても心温まる小さな愛の物語。 草の竪琴 (新潮文…

海外文学のススメ ぼくが選ぶ20作 現代篇

唐突の企画ですが、ぼくがお勧めする現代海外小説の紹介です。自分もブログ書いておいてよくいうわ、と思われるの覚悟ですけど、はっきりいってネットなんかやっていても面白くないし、テレビも面白くないし、ラジオも面白くない。ぼくは哲学、心理学、民俗…

泥棒日記 ジャン・ジュネ

いわゆる「耽美」とか、「性的倒錯」みたいな言葉に拒否感があって、その手の書物やアートに触れない人って、けっこういるんじゃないかな、と思うんですけれど、もったいないと思います。ぼくはジャン・ジュネ(1910-1986)の小説を読んで、それらのひとりよが…

運命ではなく ケルテース・イムレ

今回紹介するのは、2002年にノーベル文学賞を授与された、ハンガリーの作家、ケルテース・イムレ(1929~2016)の小説『運命ではなく』です。日本の出版は2003年、惜しくも2016年にイムレは亡くなりましたが、これは彼の処女作で、執筆に13年の歳月がかかり、…

青い眼がほしい トニ・モリスン

トニ・モリスンの『青い眼がほしい』です。母国アメリカでは1970年に発表され、日本では1981年に翻訳されていますが、「あとがき」の著者自身によると、この作が今のような形できちんと上梓するに至るには二十五年の歳月が必要だった、ということです。内容…

アルバート、故郷に帰る ホーマー・ヒッカム

『ロケットボーイズ』(1992)の著者、ホーマー・ヒッカム・ジュニアの新作です。正確なタイトルは『アルバート、故郷に帰る ―両親と1匹のワニがぼくに教えてくれた、大切なこと』。版元はハーパーズ・コリンズ社です。外国文学好きのひとりとしては、また新…

ライ麦畑でつかまえて J.D.サリンジャー

戦後のアメリカ文学を代表する偉大な作品のひとつ。文学に詳しくない方でも、タイトルだけは耳にしたことがあるんじゃないでしょうか? 2003年には村上春樹によって『キャッチャー・イン・ザ・ライ』というタイトルで新訳も出ました。未読の方には、個人的に…

店員 バーナード・マラマッド

アメリカの戦後文学は、ふたりの巨人アーネスト・ヘミングウェイとウィリアム・フォークナー以降、三つの流れがあった、とされているのが一般的です。ひとつはリチャード・ライトを先駆とする「黒人の文学」、ひとつはフォークナーから流れる、南部の闇を描…

八月の光 ウィリアム・フォークナー

「存在は切断されない、それは必ず連鎖する」というテーマで、レオス・カラックスの「アレックス三部作の映画」、美術家のハンス・ベルメールの「少女マネキン人形の写真」について、とつづけて記事を書いたんですけれど、最後にこのテーマでもうひとつくら…