ボルドー展 美と陶酔の都へ に行ってきました。

上野の国立西洋美術館で開催されている「ボルドー展 美と陶酔の都へ」へ行ってきました。

ドラクロワのあの大作『ライオン狩り』が観られる、ということで、早々と足を運んだわけですけど、やはりこれが目玉ですね。展示作の中でひとつだけ場違いな存在感を放っていました笑 でも実はこれ火事で焼けちゃって、部分的になくなっちゃってるんですよね。それでも凄いわけ。もう本当に歴史的傑作としかいいようがない。

f:id:mannequinboy:20150625185354j:plain

www.nmwa.go.jp

ボルドーはワインで有名なフランス南西にある港町で、三日月のかたちに町が発展したことから、「月の港ボルドー」として、世界遺産にも登録されています。貿易が盛んで、古代ローマ史以来、文化も大きく発展を遂げて、フランス革命辺りで勢いを失って、現在に至る、といった感じでしょうか。今回の展覧会はそのボルドーにゆかりある考古品、石像とかランプとか斧とか、もちろん画家の作品まで幅広く紹介する展示内容になっています。

25000年前頃のものと推定される石造から、展示ははじまるんですが、最初の頃の歴史的遺品も、実に神秘的雰囲気が会場には漂って、個人的には「ガリア人兵士像」(紀元前1世紀末)とかよかったなあ。中世のものだと敷石の文様と絵柄がとても魅力的でした。

ドラクロワ以外にも、個人的に興味を惹かれている画家の展示もあって、そっちも楽しみだったから、今回出かけていったわけですけど、ロマン主義を代表するスペインの画家、フランシスコ・デ・ゴヤの版画が、三点展示されてあって、「闘牛」(1825)と「ボルドーの闘牛・二分された闘牛場」(1825)は、いかにもゴヤらしい作風で、すごくよかった。

それで次に現れたのだが、ドラクロワの大作『ライオン狩り』だったんですけど、さっきいいましたように、これ火災で部分的に消失してしまった作品で、ぜんぶが観れないんですね。でも今回その横にオディロン・ルドンが模写した同じ『ライオン狩り』が、こっちはかなりコンパクト小さ目ですけれど、展示されてあって、実際はこんな絵だったんだよ、という〝全体像〟が把握できるようになっているんです。実に巧みな試みですね。

f:id:mannequinboy:20150625185136j:plain

ウジェーヌ・ドラクロワ 「ライオン狩り」1854-1855

ウジェーヌ・ドラクロワ(1798~1863)は19世紀のフランスのロマン主義を代表する巨匠のひとりです。パリ市民革命を描いて彼の代表的絵画となった「民衆を率いる自由の女神」(1830)の画家として有名です。激情的な荒々しい筆致が特徴で、とにかく絵に動的なものが溢れています。絵画にドラマ性を持ちこんだのはドラクロワです。この絵は人間と動物のまさに自然の苛烈な争いが、ダイナミックにみごとに描かれています。部分が欠損していても、凄い絵だと圧倒されます。一方ルドンは対照的に、色の調和や陰影に絵画の注意が向けられていて、同じ絵でも描く人によってこんなに違ってくるんだ、ということがわかる象徴的な例だといえます。

それで、ぼくはルドンという画家がとても好きなので、今回の展示品で、ぼくが今回もっともよかったと思ったのは、そのルドンが描いたべつの一品なんですけど、実に素朴で地味な佳作ですけど、これも観れてよかったです。初見でした。

f:id:mannequinboy:20150625185009j:plain

オディロン・ルドン 「メドックの秋」1897年頃

オディロン・ルドン(1840~1916)はボルドー生まれの「象徴主義」を代表する画家のひとりです。パリ・モンマルトル生まれのボヘミアンの画家、ロドルフ・ブレダン(1822~1885)の版画に影響されて、最初はなにやら妖しい暗いモノクロームの版画を描いていたんですけど、50歳を過ぎた頃から、突如180度変わって、色彩の溢れたきらびやかな作風に変化します。機会があれば、その後期の別人となったルドンの絵を確認してみてください。

※               ※

あっ、それで国立西洋美術館の常設展示といえば、今回はひとつ事件があって、あの17世紀のオランダの画家ヨハネス・フェルメール(1632~1675)の初期作品ではないのか ――もちろんまだ検証の段階で、詳しくいえば作品というより、模写、です――と噂される「聖プラクセディス」という作品が展示されてあるんですね。これがフェルメールのものじゃないのか、と近年ますます論議が盛んになっているということです。

いわ ゆるフェルメール的なものは一切感じられない凡庸な絵画にしかぼくには見えないんですが笑 すいません、でも、こういうことって、ほんとうにわからないので、ひょっとしてひょっとすることが起ってしまうかもしれないことがあったりします。

f:id:mannequinboy:20150625185240j:plain

ジャン・デュビュッフェ 「美しい尾の牝牛」 1954

国立西洋美術館は、企画展の半券で常設展も観れます。もうぼくは何十回も観てるんですけど、たとえば、まるまる一部屋モネだけの絵とかあって、これはこの美術館の常設展示の目玉だといえます。実際とてもよいです。「睡蓮」もありますし。ぼくはフランスの写実主義の画家、ギュスターヴ・クールベ (1819~1877)が好きなので、ここに来ると、クールベの作品をじっと観ちゃいますね。

あと抽象表現のアンフォルメルを代表するジャン・デュビュッフェ(1901~1985)が好きで、彼の作品は一品しか国立西洋にはないんですけど、これもいつも長い時間観てしまう。色の混濁が凄まじすぎて、いつまで観ていても、飽きない。

スポンサーリンク




シェアする

フォローする

スポンサーリンク




%d人のブロガーが「いいね」をつけました。