顕在ニーズと潜在ニーズを使い分ける

顕在ニーズと潜在ニーズ

pixabay

ぼくが初めて、いわゆる「商材」というものを買い、セミナーなるものに足を運んだのは、あるコンサルタントの方だったわけですが、経営にまったく無知であったぼくは、ひとつひとつお話を聞かされるたびに、驚かされることばかりでした。

経営学に関する本はたくさん読んでいましたが、経験に基づく自己啓発的な書物か、或いは、専門用語が散りばめられた難解極まるものが多く、それらを紐解いても、ちっともビジネスについて学ぶことができなかったのです。とにかく全体像を把握したい、と思いました。初心者にはうってつけのコンサルタントだったと思います。

今回はその中で、興味深かったひとつのお話をします。顕在ニーズと潜在ニーズについてのお話です。どういうこと? と思った人は、なんらかのビジネスに首を突っこんでいる方でしょう。さっぱり、という方は、参考になると思うので、読んでもらえればいいな、と思います。

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顕在ニーズ、潜在ニーズについて

世の中にはなぜ売れるものと売れないものがあるのか

まず、基本的なことから話しますが、世の中には、ものすごく便利で、使いやすく、優れた商品であっても売れないものがあります。片方で、どうみても要らないものであるのになぜか多くの人が買ってしまうものがあります。

これは複合的に多くの諸事情が絡みあってできている経済構造なので、具体例を出せませんが、その理由の一つとして顕在ニーズと潜在ニーズというものがあるわけです。

よくネット上でやりとりされているものは、いわゆる顕在ニーズものですね。ここで、ああ、と思う方は多いのじゃないでしょうか?

悩みを解消する。
欲望を刺激する。

結局、この二つでしかものは売れないのだ、とネット上で商品販売している人たちはいいます。実際そのような経営戦略で、商品を売るわけです。健康食品や、サプリメントや、美容などがトピックスとして常に持ち上げられるのは、そういう理由からです。

一方リアルの商売経営に目を向けてみます。「ウナギの匂いを店頭で客に漂わせて」という、欲望を刺激する商売も多々ありますけれども、現在売られているほとんどの商品は現代において、直接欲望を刺激するものとはいえません。目に見えやすくとも、決して人が常に欲しいと思っているものではないのですね。

たとえばわたしたちの生活の今や生活必需品となっているスマートホンです。確かに便利ですが、本当にわたしたちはこの商品を必要でしょうか?

最初は、一部のマニアックなユーザー以外誰も買わないだろう、と日本ではいわれていました。しかし、爆発的に普及しましたね。なぜでしょう? スティーブ・ジョブスのプレゼンが抜群にうまい、という理由もありますが笑 今スマホがなければ、それに対応しているサイト等も多くなって、いろいろと不便な世の中にさえなってしまいました。ぼくも長いことガラケ―派だったのですが、スマホに乗り換えなくてはいけない状況に追い込まれました笑

もともと欲しいと思っていなかったものを売る。

これこそが潜在ニーズですね。手にとってみたら、そうだ、こういうものが欲しかったんだ、と人は、己の深層心理に気づくわけです。しかし、もともと本当にこういうものが欲しかったと人は思っていたんでしょうか? それは随分怪しい話です笑 でも潜在ニーズというのは、そこを突いているわけです。

IT時代になって、あなたは社会は以前より豊かになったと思われるでしょうか? これはいつの時代も実は同じです。なった部分と、面倒になった部分と両方あるわけです。しかし、買わせてしまう力というものがある。人は物を作り、それを売り、買わなければならない。現代の情報産業の時代、人間の潜在ニーズを刺激し、購買意欲を駆り立てるわけです。

農業、製造業、情報産業はすべてニュートラルである

ものが売れなくなった、といわれて久しいです。今製造業が主であった第二次産業時代が終わり、情報産業が主となる第三次産業の時代に入っています。

情報産業の時代は、いわば顧客の潜在ニーズを刺激する商品を開発し、それをマーケティングして売る時代です。誤解してはならないのは、農業である第一次産業も、製造業の第二次産業も需要が減少しただけで、なくなってはいないということです。

たとえば、TVです。インターネットが出現したときに、もうTVの利用価値がなくなるのではないか、といわれましたが、そんなことはありませんでした。ネットで検索の上位を占めているのは、昨日TVで観た芸能人のスキャンダルだったりすることがほとんどなのです。いわば情報産業社会の構造は、ニュートラルだと考えていただければよいです。

ようは21世紀になって、わたしたちの経済活動はすべて多様化、複合化することで、平坦になったのです。

現在、情報産業のスキルや戦略を無視して、第一産業や第二次産業の会社が生き残っていくことは難しいです。では、どうすべきなのか? 顕在ニーズと潜在ニーズについて、さらに詳しく話していきましょう。

顕在ニーズと潜在ニーズのそれぞれの役割り

商品によって、それをどうセールスするか、というのは、顕在ニーズと潜在ニーズとによって明確に最初から別れています。

アーティストの方は痛いほどわかることだと想像しますが、たとえば絵画作品を今すぐ欲しい、と思っている顧客はどれくらいいるでしょうか? ピカソのあの作品がどうしても欲しいのだ、という特定の客はいるでしょうが、元来アートなどは、生活に不必要なもので、お金持ちや、よほどのファンでない限り買わないものです。売り方としては、潜在ニーズを刺激するセールスになります。

逆に、ダイエット食品などは、顕在ニーズのど真ん中です。顧客の欲望を刺激しまくることで、「こうしたら痩せられる、わたしもこうして二カ月で-10キロ痩せた!」と、ドカン、と広告を打つことで、商品を売るわけです。痩せたい人は、日本中にとにかくたくさんいるわけです。顕在ニーズセールスにとって重要になってくるのは、いわゆるマーケティングの基本STP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)におけるPの部分、他社との競合、ポジショニングに影響されてくる部分が大きいでしょう。

なぜ他社ではなく、自社で購入させることができるのか? が重要視されてくるからです。

話を、顕在ニーズと潜在ニーズに戻します。

しかし、顕在ニーズ商品と、潜在ニーズ商品を、上手に融合させることができたならば、この他社との競合も比較的楽になるのではないでしょうか?

先ほど、情報化社会は、すべてがニュートラルで、複合的な産業構造になっている、と述べました。ぼくは小説家ですから、思いますけれど、いくら本を売ろうと営業をしても、それは「潜在ニーズ」な媒体ですから、ドカン、と売ることは無理なわけです。

もちろん広告を打ちますし、それなりの営業戦略を練りますが、基本的にその業界の慣習として、すでに成立しているマーケティングがあり、それに則って商品を販売するしか方法がないのです。

たとえば、それが潜在ニーズなものならば、それを潜在ニーズから、顕在ニーズへと置き換えて考えてみることです。

商品を顕在ニーズとしてセールスするのではなく、顕在ニーズ化することのできる領域に、その商品を移動すればよいわけです。

顕在ニーズと潜在ニーズのそれぞれの欲望を刺激する

顕在ニーズとは、すでに顧客が自覚している欲望だ、と述べました。それは先にあげたように、ほとんど直接的な欲望を解消するもので、「悩みを解決する」だとか、「もっとお金が欲しい」だとか、そういうものを差します。

さらに顕在ニーズの特徴として、単価が高く、即効性がある、ということがあります。購買者にとって、すでに自覚しているものに対しては、わりと高額なものでもお金を払うわけです。

この二つの欲望をシンクロナイズさせる必要があるのですが、もちろんマーケティングが簡単だとはいえません。

ただ、端的にいうならば、

顕在ニーズを刺激するようなものとして販売戦略をとる、あるいは、その逆として売る。

ということです。この二つを上手く使うのです。

潜在ニーズとして売っている商品ならば、それを別のやり方で顕在ニーズを刺激する戦略を売るわけです。

顕在ニーズとして売っている商品ならば、それを別のやり方で潜在ニーズを刺激する戦略で売るわけです。

やりかたは、商品によって、それぞれになると思います。

需要がどこにあるのか? を見極めるのが、まず重要でしょう。それから見込み客がどれくらいいるのか? フェルミ推定(推察計算)をして、おおまかな数字を出してみましょう。

たとえば集客に関して、多くの経営者は悩んでいるわけですが、けっこうこの顕在ニーズを刺激するマーケティングをしていないから伸び悩んでいる中小企業が多いのじゃないかな、と推測しています。わが社の商品は、こうして売る、という習慣が出来上がってしまっているわけです。

逆に、顕在ニーズでものを売っている人たちも、集客で悩んでいます。なぜならそれが満たされたら、あるいは満たされなかったら、もっとですが、顧客は次々と離れていくからです。

両者を巧みに融合させ、戦略を図ることです。それが情報化社会だということです。

ということで、明確な答えはなく、ケースバイケースといえます。いつものように、このような抽象論を具体的な方法意識に落し込むことこそが「ビジネス」の骨頂なので、決して耳を塞いではならない話題です。

潜在ニーズの顧客の問題に対しては、単なる「導線」を貼る、という話で、簡単に終わらせてはならないものだと思います。

今回はそういった顕在ニーズと潜在ニーズのお話でした。

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