夜の散歩とカフェと猫と

谷中ぎんざ商店街

pixabay

気持ちが不安定なとき、なにかいらいらしているとき、気分を落ち着けるためには、「旅に出る」というのは、最も有効な手段のひとつといわれています。

旅行が嫌いな人はいませんよね?

バックパッカーや、観光名所めぐりなんてあんまり……という方も、知らない余所の土地へ行ってみたい、という誘惑が、ときどきふっと湧き上がることがあると思います。非日常な体験を味わいたい欲求は、潜在的に人間にあり、いわばそれは逃避といってもよいです。

しかし、いざ、旅に出よう、と思っても、時間や金銭的な都合で、なかなか実行に移せないことが多いです。

それで、うっぷん晴らしにカラオケや、ゴルフの打ちっぱなし、中には行きつけの飲み屋についつい足を運んでしまう方もいるでしょう。そしてそのほうがリラックスできる、という方も、実際いらっしゃるのも事実だと思います。

ぼくが推奨するのは、いつものよく行く場所ではなく、時間がなければ行けない場所でもなく、いつもよりちょっとだけ足を延ばした場所へ行ってみるということです。

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いつもより、ほんの少しだけ遠くへ

ぼくは浅草近辺に住んでいるのですが、日々の行動範囲はほぼ限定されてしまいます。いつも乗り降りする地下鉄の日比谷線や銀座線の姿を見ると、休日だというのに、なんだか憂鬱にさえなりますね笑

そんなとき散歩がてら、スマホを片手に、谷中ぎんざ商店街へ向かいます。東京のレトロな場所として、今や外国人観光客も訪れるメッカとなり、芸能人などのグルメTV番組や、ドラマのロケ地としても使用されて、いつからかすっかり有名となりました。

谷中ぎんざ商店街

あつあつの揚げ物を食べられるお店から、手作りのアクセサリー屋、御総菜屋やカフェ、独自のこだわりのTシャツ屋や和小物屋や古本屋など、オリジナリティー溢れる小さな店が、道の両隣にぎっしりと立ち並んでいます。

夜になって、闇の中にぽっかり浮かぶ商店街の灯りは、どこかしら幻想的ですらあって、それもよいです。最初観たときは、とにかく魅せられましたね。ここに住もうかな、と思いました笑

台東区の下町に潜む――まさにそんな感じです――谷中ぎんざ商店街は極めて日常的空間でありながら、どこか非日常的な感覚がするのです。遠くから近づいていって、階段を一歩一歩降りていくと、胸がわくわくしますね。

場所は日暮里駅から出てすぐ、台東区の端に位置するのですが、商店街を抜けると、文京区に入り、大通りを抜けると、閑静な住宅が広がります。ぼくはよく文京区の図書館に行くので、ちょっと遠回りして、谷中ぎんざ商店街へ行くのが楽しみです。

猫のいる商店街としても知られ、いうしょっぱい野良猫たちがたくさんいるのも、この商店街の特徴ですね。

いつも行く場所よりも、ちょっとだけ足を延ばして、違う空気を吸い、違った風景を見てみる。

旅へ出ることがなぜ慰安になるか、というと、見知らぬ環境に身を置くことで、普段のあくせくした日常の「時間」を忘れることができるからです。「非日常」の脱出です。「自分」がほかの自分になれるのです。

旅=散策がよいのは、動いている、という身体的感覚も強い効果作用があって、自分は時間を無益に使ってはいない、という感覚がよいんです。

さらに新しい発見もあります。ちゃんと通行人に気を使って、美しい、可愛い、なんだ、これは? なんでもいいと思います、心を動かされたものをカメラに収めると、その場所が「記憶」として封じ込められる、という豊かな心の蓄積を生みだします。Instagramをやってらっしゃる方は、すぐに投稿して、SNSで人との交流をさらに味わってください。

外に出るのは面倒くさい。

確かに面倒くさいですよね。

そんなときには、乗り物に乗ることなく、いつもよりちょっとだけ足を延ばして、散策を楽しんでみましょう。

退屈で気怠い日曜日、ぼくは谷中ぎんざ商店街に行ったとき、帰りに夕立に遭い、やっぱり出かけなきゃよかった、と思ったわけですが、コンビニの前で雨宿りをしていると、まったく見ず知らずのお婆さんが声をかけられました。お断りしたんですけど、わざわざ家まで行って、傘を貸してくれました。

災難こそが、幸せに変わる。ぼくはこれこそ、人生の僥倖、と呼んでいます。

出かけなければ、こんなことはなかったわけです。

ぼくは翌日傘のお礼に、和菓子を持って、おばあさんの家を訪ねました。どんなご縁があるかもわかりません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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