ランチェスターの法則を学ぼう! 『35歳から「一生、負けない」生き方』 竹田陽一 栢野克己

これはある種の自己啓発本といっていいでしょう。営業職を専門としている人なら、誰もが知っている経営の基本理念が書かれてあります。なので、読まないなら、読まないでもいいと思います。でも、ビジネスについてなにも知らない、という方は、とりあえずここからはじめるのがいいんじゃないか、というのが、ぼくの意見です。

竹田陽一氏はランチェスターの戦略で圧倒的な営業成績を収めた人で、その独自のコンサルタントでも名を馳せています。

タイトルを見ればわかるとおり、弱者がどうやって戦いに勝っていけるかが、煽情的かつ感傷的に描かれていますが、栢野克己さんは竹田さんのお弟子さんにあたる方ですね、共著になっています。著者のお二方ともそれぞれ苦労されて、中小企業の営業マンから、後の年収千万単位の収入の地位を得たわけだから、えっ? と思わずにはいられないでしょう。

まず、ランチェスターの戦略とはなんであるのか、それを知るところからはじめましょう。

ランチェスターの戦略とは?

戦国マーケティング株式会社

ざっとググってみた結果、このページがいちばんランチェスターの戦略について、具体的に書かれてあるように思えたので、貼っておきます。

ランチェスターの法則というのは、もともとは軍事戦略のもので、圧倒的な兵力、物質力の差である場合、どうやって敵軍と対峙すればよいか、それを戦術化して成果を収めたのが、イギリス空軍のエンジニアであったF.W.ランチェスターという人です。

それを科学的に経営戦略に持ち込んだのが、日本の経営者である岡田信夫さんという方で、この営業戦術は、1970年代以降から、いわば「弱者が強者に勝つための」中小企業で、日本でも爆発的に普及していきます。圧倒的な量的に劣る者が、強者に勝つためにはどうしたらよいのか。それがランチェスターの法則です。

大企業と中小企業とは、その経営戦術=戦い方が、まったく異なります。

大企業              
商品 多数の商品を揃える
地域 広範囲
流通 TVCM、新聞広告など、多数の消費者を囲む
ターゲット顧客 属性を広く設定する
中小企業
商品 一点に集中する
地域 やはり一点に集中する
流通 対面を主に、顧客とのより親密な販売形態に臨む
ターゲット顧客 顧客層を絞りこむ

この著書は竹田陽一氏が、どのようにランチェスターの法則を武器に、己の営業力を高め、成功するに至ったかが書かれてあります。内容は五章に分れています。ヴォリュームはp260、2時間もあれば読めてしまうので、さらっと紹介していきましょう。

スポンサーリンク




『35歳から「一生、負けない」生き方』 竹田陽一 栢野克己』を読む

第一章 35歳からの「自分探し」、44歳で店名を知る方法。

この本は、竹田氏と栢野氏によって書かれた共著なわけですが、主格である竹田氏がメインテーマを語り、教え子で栢野氏がそのテーマについてのコラムを付随した形で寄稿する、というスタイルをとっています。最初に書かれてあるのは、弱者が人生を逆転する方法についての最たるテーマです。この二つです。

1 メンターを持て。

2 徹底的にその物真似をしろ。

これは悲しいかな、足が速い人は小さな頃から足が速いし、勉強が出来る人は小さな頃から勉強が出来ます。竹田陽一氏も、とにかく小さな頃から文章が苦手で、勉強ができなかったらしいです。弱者が這い上がる戦略はないか、とずっと頭を悩ませていました。そもそも頭が悪いのだから、自分が考えても上手くいくわけがありません。社会に出ても、これはデータがはっきり示して、残酷に竹田氏を襲います。一年目で成績が悪い営業マンは、五年経っても成績が悪いままなのです。しかし、伸びる人がたまにいる。彼らには共通するものがあった。それが上の二点だ、ということです。

さらに、まぐれあたりがある、というのもある、といいます。これはビジネスの真理ですね。とにかく顧客に対して礼状を書け、というのも、すごく腑に落ちます。

マズローのいわゆる五大欲求を満たすことを考え、顧客に接するべし、というのも、頷ける考えです。

第二章 竹田陽一の人生逆転物語

竹田陽一氏が、どのように貧苦に喘ぎ、そこから脱し、成功を掴むに至ったか。まあ、ここで書いてあるのは、とにかく根性論的なものなのですが、最後に書かれてあることが心を打つので引用します。

 「不幸や困難には、それと同じくらいか、それ以上の良いことが必ず隠されている」

さらに、こう書かれています。

長時間労働は、世の中の常識からすると一番バカげた、一番つまらないやり方です。しかし、休日の七割を「仕事の研究日」とし、これと合わせて「必勝型」の三二〇〇時間以上を一五年間実行するなら、自分でも気がつかない潜在能力が開発されます。

 潜在能力が開発されるということは、質が高まることを意味します。質が高まればアウトプットは加速的に増加して、それまで思いもよらなかったことができるようになります。こうなると不利な人生を逆転できて、運命も変わるのです。やっているときは損のように思えたことが、あとで何倍にも何十倍にもなって返ってきます。実行するかしないか、これを最終的に決めるのは、あなた自身なのです。               (『35歳から一生、負けない生き方』 竹田陽一栢野克己)

第三章 35歳からの天職に生きる方法

ここではいくつか大事なことが書いてありますね。箇条書きします。

弱者が勝つには、ニッチな産業に取り組むべし。人が嫌がることをやるべき。とりわけ営業は皆やりたがりませんからね。ダメ人間であっても、自分の強みを持ち、それを磨くことを心がけるべし。夢を追うことは決してバカなことではなく、それをやりつづけることで商売になることもある、ということも書かれてあります。

あるいは、決してこれが儲かるから、とか、これが自分に合っているからだとかで天職を見出している人は、それで名をはせた人でも少なく、そんなものは偶然というか、環境でそうなったに過ぎない、ということは意味深であり、これもビジネスにおける真理ですね。

実はこれは人生論そのままで、人が貧乏に生まれるのも、不遇な家庭環境で育つのも、なにもかもが運だといえばそうで、でも、人には努力する、という主体性が残されているんです。そしてどんな天分を持った人とでも平等に与えられたものが時間です。それを使わずして強者に勝てるわけがない。そして自分が弱者でなくなったとき、自分を引っ張り上げてくれた仕事というのも、巡り合わせ、としかいいようがないものだ、ということを、すごく説得力をもって書かれてあります。

第四章 35歳からの自分経営法

1 新しい仕事に着手せよ

わかりやすいところですと、インターネットビジネスですね。未だに旧業界はネットに対して、足踏みしている。それどころか懐疑的ですらある。つまり新規参入しやすいわけです。

この章では営業で重要なことが書かれてあるので、引用します。

会社から近い場所を中心に訪問度数を多くすれば、(営業訪問数を増やすことも)不可能ではありません。お客と五回から六回面接し、一定レベルの人間関係が成立するまでは売りの色気を一切出さず、見込み客の事業内容や決定権を持った人の関心のありかだけに注意を払います。

そうしておく客と人間関係ができたあとで、じっくりと売り込みにかかるという二段階方式の、いわゆる「弱者の販売戦術」を実行する、と厳しい断りが少なくなり、販売活動がしやすくなります。 (『35歳から一生、負けない生き方』 竹田陽一 栢野克己)

まさにランチェスターの戦術です。さらにこうつづきます。

2 お客様が思っている以上のことをする。

「度々説明するとおり、商品を作る仕事を除いて、経営活動で利益が出るのはお客活動だけですから、お客と人間関係をよくすることだけが本当の仕事と言え、そのほかの仕事は準備か後始末であって、たいした仕事ではないのです」 (『35歳から一生、負けない生き方』 竹田陽一 栢野克己)

3 弱者の戦略「一点集中」でナンバー1。

質が低い人ほど、労をせずに結果を得たいとするので、同時にあれもこれも手をだしてしまいがちですね。一点集中は弱者の戦略論法の代表。あと、時間を効率化するためには、朝七時半仕事開始がいい、というのがあります。

確かにぼくが知っている社長さんたちは皆朝が早いですね。まあ、お年を召していらっしゃるから、どうしても早起きだ、ということもあるんでしょうけど笑 ある方に聞いたときに、結局午前中にその日の仕事をぜんぶ済ませてしまうんだとか。午後は、明日のためにすべきことに費やしているんですね。

第五章 35歳から「一生、負けない」生き方

最終章では文言的な言葉が並んでいますね。結局顧客が100%の権限を握っている。「奉仕の気持ち」を持つ。見返りを期待しない、ということ。そして意外にも、その姿勢こそが、後に大きな報酬となって、あなたに届けられる、と。グラントのいう「ギブの精神」に近いですね。こうして見ると、やはりビジネスとはパターンなのですよ。

「戦術」と「戦略」についても書かれています。

若いうちは戦術でなんとかなったが、年をとるとダメになっていくサラリーマンが多い。理由は、戦略ができていないからです。ここは重要ですね。

年をとると、バリバリ働くことができなくなる。俯瞰し、相手を観察する「戦略図」が必要になるわけです。これができないと、後年の仕事人生を成功させていくことができない。実際書店などに行くと、戦術系の本は多く、戦略系は少ないと書いてある。戦術は即効性があり、具体的で、結果も出やすいものだからです。逆に、戦略は抽象的で、難解なものが多い。しかし、戦略について考えるべきだ、と。

インターネットでググって経営なんかしていても、やはりダメなんです。専門書を読まないとダメです。読書をしていない経営者なんて、ぼくも知らないです。これも共通して、成功している人はいっていますね。

ぼくの感想

ランチェスターの法則を知らない方は、それ用の本をざっと読んでみることをお勧めします。弱者がいかに強者に勝つか? 誰もがやらないことをやり、一点集中し、顧客を絞りこみ、それと対面する。

だいたい知っていることしか書かれていない本なので、超初心者向けの自己啓発本かな、と思います。意外に、多くのページに割かれた内容は、弱者が勝ちたいのなら人の何倍も働け、ということがけっこう書かれてありまして笑、確かにまあそのとおりなんですね。

結局ビジネスも人であり、売る側が必死ならお客がなんとかしてくれたりするものだ、ということも書いてある。

しかしながら、やはりひとつのことに長時間集中すると、潜在的能力が誰にも必ずあり、それが発掘される、というのは、自分にはなんにもない、と思っている人にとっては、耳を傾けるべき至言ではないでしょうか? なんでもいい、懸命にひとつのことに打ちこんだことがこれまであったか? あなたも自分の人生経験の中で問うてみて欲しいです。

もちろん、そもそも潜在能力が、つまり人より強みのない人のほうが圧倒的多数だと思います。だからこそ、人は人並みにしか働かないし、翻っていうならば、人並み以上に働くしかない。

いわゆる「一万時間の論理」、つまり成功するには一万時間が必要だ、というのは、これは複雑なものがあって、残酷ながら、一万時間費やしても、ダメな人はダメなんです。飛躍したいいかたですが、そもそもビジネスというか、生きることに向いてない人も、この社会には多いのです。

ぼくが思うのは、やれそうなことがあったら、とにかくなんでもやってみることだと思いますね。いやならやめればいいんです。引っかかるものがあったら、それを追求していく。脱線していってもいい。ビジネスとはそういうものなんです。保険を必ずかけておく。そもそもこれが自分の天職だと思っても、そうではないことが多い。

自分の潜在能力なのかは、他人が決めるものであり、それが価値であるものとされ、対価を支払うのは顧客です。自分の長所とは、自分ではわからない。好きなことを仕事にすると必ず失敗する、というのは、「好きなこと」と「得意なこと」が、自身の中で判別できていないからです。

得意なこと、というのは、意外に自分で気づいていない場合が多い。理由は、簡単にできてしまう場合が多いからです。それで出来ないことが脳裏を支配してしまい、それに人は労力と時間をかけてしまうことになる。「1万時間かけた、成功しない、なぜだ?」となるわけです。

ランチェスターについての本を一読することお勧めします。とにかく経営の基本戦略なので。

スポンサーリンク




%d人のブロガーが「いいね」をつけました。