起業家は恥ずかしいくらいの理想を掲げていい!

企業におけるミッションについて

今回は企業におけるミッション=使命感の役割りについて話します。具体的にいうと、ミッションと需要の関係性についてです。企業におけるミッションというと、ビジョンとはなにが違うのか、その相違が焦点になる議論が多いですが、後にその機会は譲りたいと思います。

たとえば、ビジネスをしたいのだけれど(本業、副業含めてですが)、何をしていいのかわからない、という方は、ビジネスをするのに、なにか自分には特別なスキルが必要だと考えているんじゃないでしょうか?

誰だって最初は初心者だった。そしてスキルを磨いていった。そう慰めるコンサルタントもいらっしゃるでしょうね。でも……自分にはそもそも磨き上げるスキルすら見当たらないんじゃないかな、とまた思い悩んだり。

結局ビジネスというのは、需要性があるかないか、で勝敗が決まってしまうものなので、スキルというのは、「企業」というよりも、「職人的」な考えのものです。

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起業家はミッションを考え、職人はミッションを邪魔だと思う

今度『成功する人たちの起業術 はじめの一歩を踏み出そう』という、職人がどう企業家へ変貌するべきかを書いた、全米でベストセラーになったビジネス本をレビューしようと思っています。経営には、財務や法律や、細々なものも絡んできますが、必要不可欠なものは、「企業」「マネジメント」「商品」の三つの引き出しです。そこにはミッションの重要性が、しっかり書かれてあります。

企業にとって、ミッションとはなんでしょうか? どういう役割を果たすべきものか考えてみましょう。

企業における需要の必然性

ぼくの大学時代の話をします。「人間には誰しも必ずいいところがある。人は相応しい場所に落ち着くようになっているし、行くべき道を歩くようになっている」といった先生がいたんです。性善説を唱える自己肯定感の強い性格の方だと思うんですが、このような啓蒙的助言は、ビジネスにおいては妄言です。

重要なことなので、繰り返しますが、ビジネスにおいては、「需要」ということが、なにより欠かせない定義づけになってきます。四つあるので書きます。

1 お客さんの悩みを解決する。
2 お客さんから見て簡単である。
3 お客さんの望む結果が出る。
4 お客さんのリスクがない。

ビジネスというのは、顧客に価値を与えることで、ソリューション(解決)することで、対価を払ってもらう行為です。医者だって、パンやだって、オートバイやだって、皆同じです。

ビジネスをする上で重要なのは、人を喜ばせたり、悩みを解決してあげたりする以上に、まずそれが現在市場で需要があるものなのかどうかを確認しなければならいということです。そしてフェルミ推定して、どのくらいの利益率があるかを、きちんと数字で把握しなければなりません。いくら自分に技術があり、やりたいことがあり、それがとても人のためになることであったとしても、需要がなければ、ビジネスにはなりません。

自分になにができるか、ではなく、なにをすることが需要であるのか、を、なにをしたらよいかわからない、という人は、そう発想を転換すると、ものごとが少しクリアーになってくると思います。

逆に、商品開発に魅力を感じている人は、企業に入るべきか、インフォプレナーになるべきです。

以前ぼくが勤めていた会社の社長は、元敏腕の営業マンでしたが、結局最後まで営業マンのカラーから脱け出すことが出来ない方でした。起業した会社の9割は10年以内に廃業するといわれますが、御多分に漏れず、赤字を抱えて会社を倒産させました。「営業」から離れられない人は起業家には向いていません。自営をしていきたいのであれば、マーケティングから財務、法律まで、ビジネスを根本から学ぶ必要があるのです。では、ミッションと需要は、どのような関係性を持っているでしょうか?

ミッションとはなにか?

会社にとってミッション=使命とは、とても重要な軸だといわれます。生命線といっていいでしょう。具体的なゴールがビジョンだとしたら、ミッションはもっと抽象的なものです。

ミッションというのは、会社にとっての理念であり、社会貢献のための旗印であり、また、社員の士気を高め、統率するものでもあります。

ビジネスは顧客の悩みを解決するものであるといいましたが、俯瞰的に見て、企業は社会への貢献をする一大プロジェクトであって然るべきなのは当然です。海外銀行へ資産を預金する投資家も増えてきましたが、たとえば日本など、やはりメイド・イン・ジャパンのブランド力があってこそ、顧客との信頼関係が成り立っていることは非常に大きいのです。

実際にこれはデータとしても出ているんですが、ミッションをしっかり持っている企業と、とってつけたような経営理念を掲げている企業とは、利益率が違うのです。以前、コピーライターの小霜和也さんの著作をレビューした際、(『ここらで広告コピーの本当の話をします』 小霜和也)いかに企業のロゴが大事かということなどを書きましたけれど、顧客はそのメーカーのファンになって、いっしょにストーリーを歩んでいくものです。

ミッションと重要性についての関係性は、しかしながら、意外に複雑な糸が絡まりあっており、そこには「人」対「人」、「企業」対「個人以上のもの」という、規模の問題が横たわっています。

ミッションは起業家にとってどう認識すべきか?

たとえばぼくのことを話しますけれど、ぼくは10代の頃からアートが好きな人間で、いちばん得意だったのは数学だったんですが、理系、ではなく文系を選択し、大学も文学部に進みました。結局小説という道を選び、それもライトノベルなどではなく、海外文学などが好みの極めてマイナーな分野へ行っちゃったわけで、社会から求められている需要性は限りなく低いものです。もう人生の敗残者組決定です。いくら猛烈に努力をしたとしても、それで食べていける人は、ほんの0.1%くらいの奇跡なのは間違いありません。

話は変わりますが笑、ぼくは週に一度は美術館に足を運んで休日を過ごしますが、美術展のチラシに書かれてある協賛会社をチェックするのが、習慣です。大手は昨今のグローバル化社会ということも多分に手伝って、アートやボランティアなどの分野にこの頃ずいぶんと積極的だなあ、と感じます。実際に美術館は以前より客が入っています。しかし、中小零細企業、ベンチャー、個人事業主で、アートを社会貢献として用いている企業は見たことがありませんね。

こういう現状を見ていると、様々なことがわかってくるわけです。大手の関わっている一見非営利目的の手段や、そもそもミッションなど、顧客を騙そうとする偽善的なものじゃないのか? という疑惑さえ首をもたげてきます。

これはいろんな著作を読んでも、コンサルタントの方々のお話を聞いていても様々で、「需要があることをやるのがビジネスだ」とおっしゃる方もやはり多く、逆に、「理想がまずなければ、その企業理念に顧客は共鳴して商品を買ってくれるのだから」と強く説く方もおられて、複雑です。

しかし、最近ようやく腑に落ちました。ミッションと資本における需要性の関係性については、実は会社がなぜ10年で潰れてしまうのか、実はそこにこそ最たる重要な鍵が潜んでいると思っています。

起業家は恥ずかしいくらいの理想やビジョンを示し、ミッションを言葉にして示すべき

ぼくは、ミッションは企業にとっての原動力であり、窮地に陥ったときにも命を蘇生させてくれる手綱であり、自分でも信じられないくらいの潜在能力を引っ張りだす原動力だと思います。

もちろん起業したばかりの中小企業に、顧客は大それたミッションなど望んではいないし、それがあったとしても、共鳴してくれてファンになってくれる者も少ないでしょう。顧客が望んでいるのは、ソリューションであり、なによりそのサービスであり、商品です。言い方は悪いですが、そもそも日本の企業はまだまだ世界的に見て、どれもこれも二流、三流で、ただの強欲だけで商売をしている会社がほとんどですし、顧客側も社会的理念など考えてもいないのが事実です。

いかにその理念が高尚なものであっても、結果を導いてくれる企業でなければ、顧客にとってなんら価値はありません。顧客は自分のことだけを考えて対価を払うのであり、企業の壮大なミッションに共鳴はしません。

しかし、もし、ミッションを持ち得て企業していたとしたら、ぼくの以前の会社の社長は借金まみれになって、辛苦を味合わずに済んだと思えずにはいられないわけです。いったいなにが会社を潰したんだろうか? ミッションです。職人の道だけを邁進し、起業家としての自覚を持っていなければ、会社は間違いなく廃業します。

起業にはミッションが必要です。それがないなら、起業などすべきではない。

これからビジネスをしよう、と思う人は、野心を持って欲しいと思います。需要=顧客のため、ミッション=自分のため、と最初は割り切ることです。十年の壁を突破すれば、あなたのミッションに共鳴して、商品を買い続けてくれる顧客が、必ず現れます。

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