起業するにはまずサラリーマンマインドを脱ぎ捨てるべし。『起業して3年以上「続く人」と「ダメな人」の習慣』 伊関淳

伊関淳

この著作を書かれた伊関さんは、元ヒューレット・パッカードで働いていた方です。現在はコンサルタントをされているのですが、決してIT専門家ではないです。つまり、ほとんどゼロから起業家としてスタートとした方で、そういう意味では説得力があります。

全p239。7章に分かれてあります。

第1章 企業の決意・準備編
第2章 スタンス・姿勢編
第3章 起業アイデア・計画編
第4章 マーケティング・営業編
第5章 お金・仕事スキル編
第6章 タイムマネジメント編
第7章 人脈・マネジメント編

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全7章の意味

なにかトリッキーな戦術や話題が書かれている著作ではなく、一貫して語られているのは、サラリーマンマインドを脱却する術です。それには、とにかく「あらゆる常識を覆す姿勢」が大事になってきます。この記事では、重要な箇所をコメントしていきます。

第1章 企業の決意・準備編

起業を早く成功させるためには、潜在意識に眠っている憧れを引っ張りだし、ドリームボードを作れ、ということがまず注目をひきます。さらに、準備が整わなくても進めてしまえ、見切り発車で構わない、とも。早いうちから、周囲に自分は企業するんだと意志を伝えておくことが、ドリームキラーを抑える戦術となる、など。マインドの重要性が説かれています。

第2章 スタンス・姿勢編

うまくいく人は上司や成功者のいうことを聞くYESマンである、ということが書いてあります。これはほとんどのコンサルの方がおっしゃることなので、伊関さんも同じことを説いてらっしゃるな、という印象です。

ダメな人は不得意分野を克服しようとします。これもデータでも明確に出ています。不得意分野を努力するよりも、得意分野のスキルをあげたほうが収益率は高いのです。これはイギリスの経済学者、デヴィッド・リカードの比較優位の法則にも通じる発想で、ご存知ない方は、重要なので、頭に入れてください。

比較優位の法則については池上彰さんが優しく解説してくれています。ちなみにこれが書かれた『やさしい経済学』三冊は、とても読み易く、経済学がざっと把握できるものなので、一読をお勧めします。

リカードが発見した貿易の大原理

第3章 起業アイデア・計画編

兼業企業をしてはダメということ。起業するときは、一点集中するべし。なぜなら、起業とは同時にいくつもやれるような甘いものではなく、試行錯誤しなければやっていけないものだからです。

中小零細が勝ち残るには、強み=競合優勢性なんです。保険をかけるようなことをしていては、その自社の強みを打ち出すどころか、見つけ出すこともままならない。これは重要ですね。

さらに、長期的な視点で経営をしろ。短期的決戦になると、低価格勝負に陥らざるを得なくなることも説かれています。そういう経営は会社を潰しますね。最初はなかなか顧客がとれなくても、単価を下げることなく、自社の強みを磨くことに専念したほうがよいです。

経営は一点集中を推奨していますが、マーケティングに関しては他方向を推奨しています。SNSでも対面でも、チラシでも電話でも、あらゆる戦術を使うこと。やってみて、絞っていくべきです。

第4章 マーケティング・営業編

見込み客に初期投資をして、広告にしっかりお金をかけること。

さらに、当り前の継続の大切さも説かれていて、見込み客がいつ本当のお客さんになってくれるかわかりませんからね。

これもどのコンサル方も常々おっしゃることですが、「客を選べ」ということも書いてあります。

選んだお客様のためだけにサービスを向上すべきで、これはビジネスにとって基本姿勢です。いわゆる8対2の法則があります。10の結果は、実は2が作りだしているもので、ビジネスに置き換えると、売り上げは2の顧客が利益を出してくれているわけです。これをないがしろにして、ビジネスをしてはいけません。

さらに、異性の心理を知るべし、と言うようなことも書いてあって、面白い箇所です。男性は性能、結果重視に対し、女性は用途、プロセス重視の性格があります。お金を使うのは圧倒的に女性です。さらに、男性はひとりで結果を導き出そうと奮起しますが、女性は多くの人と回答を分かち合おうとします。口コミが、ここから連想できるでしょう。

多少自信のないことでも「微妙なハッタリ」なら口にしろ、ともいっていて、共感しますね笑。実はこれこそが成功への登竜門でしょう。クリエイターならそう名乗ってしまいましょう。わからないことなら、いったん引き受けてから、ググればいいんです。人に任せてしまってもかまわない。

第5章 お金・仕事スキル編

うまくいく人は簡潔に話し、ダメな人は丁寧に長く話す。これは耳が痛い人も多いんじゃないでしょうか?笑

第6章 タイムマネジメント編

うまくいく人は忙しさの「質」を知っている。ダメな人はなぜだか忙しい。伊関さんは両者では「忙しさの質」が違う、と一刀両断していますね。

これは「仕事の優先順位についての考え方がサラリーマンの延長ではいけない」と述べられていることと、関係性があります。力を入れるべき優先順位の高いものに時間をかけ、やらなくていいものや人に任せていいものには時間をかけないこと。タイムマネジメントの基本ですめ。

失敗したときの例も書かれています。

過去を引きずっている時間がもっていない。誠心誠意謝罪しても、もしそれでダメだったなら、あきらめるしかない

それぞれの事業のお互いを補てんし合うバーター取引も推奨していて、これもビジネスにおける基本ですね。

第7章 人脈・マネジメント編

最終章では、税理士の話が出てきます。ここはしっかり読んでください。税理は企業すると、誰もが必ず躓く場面だからです。伊関さんは、紹介によってお付き合いを深めた税理士さんを雇うこと、を推奨されています。見ず知らずの税理士を雇ってはいけない。

ぼったくられるし、会社を潰されかねない。金を持って逃げてしまう人ってけっこういるんです。管理・マネージャーの重要性にもなってくるのですが、そのときすべきなのは、税理士を会社の仲間に引き入れ、チームの一員として認めてしまう術です。

最後に面白いことが書かれてあります。

新たに企画されたビジネスプロジェクトのゴールをみなで目指すという共通認識があるかどうか

チームはだいたい仲間が6人くらいだ、ということも書かれてあって、腑に落ちる数字です。これから起業する方はこのことも頭の隅っこに入れておくとよいと思いますね。

ぼくの感想

この著作は、軽い読み物の部類で、断章形式になっており、通勤の電車で3日もあれば読めてしまいます。経営に必読の書とは思いませんが、結局この著作に書かれたあるのは、「脱サラリーマンマインド」の思考法です。現役サラリーマンの方で、いつか起業を……と思っている方は、一度目を通しておいて損はない一冊です。

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